川俣正 | 仙台インプログレス
2019
貞山運河を挟んで海側に制作された木道。かつて、新浜地区の人々が建立した海上安全祈念や植林記念のための石碑を経由して海岸へ行くための道中の一部に遊歩道として制作した。
旧北上川河口から阿武隈川河口までをつなぐ貞山運河は、慶長2(1557)年から明治17(1884)年にかけて建設された日本最長の運河(総延長約46.4キロメートル)です。2022年8月、ここに一日限りの橋が架けられました。宮城県仙台市宮城野区新浜地区を流れる貞山運河に、東日本大震災の津波で流された橋がじつに11年ぶりに「船橋」として再建されたのです【図1】。これは、アーティスト・川俣正さんが手がけるアートプロジェクト「仙台インプログレス」の一環として実現しました。 船を並べ …
現代の橋の思想は、一口にいって、橋そのものをなくすことにある。自動車で通っていても、そこが橋の上であることを人に感じさせないような橋、たんに「道の延長」である橋、それが理想とされる。──『橋と日本人』p53 岩波新書 このドキュメントブックに見られるように、まずは動きはじめ、そこから起こる反応を以てして少し先を見据え、進もうとするプロジェクト「仙台インプログレス」。地域の人々とのやりとりを経て、ものごとが少しずつ進められていくそのおおらかな流れにはどこか心地良ささえ漂う。ア …
貞山運河の海側に、海へ向かって《みんなの木道2019》を制作しました。かつてそこは、地区の祖先が防災林として植林した広大な松林が広がっていましたが、津波によってその多くが流されてしまいました。その傍らに、祖先が建立した海上安全祈願や植林記念の石碑があり、それらへ導くように木道が敷設されました。7月27日に開催された「貞山運河の渡し舟と新浜フットパス2019 part1」(新浜町内会主催)で、参加者たちが初めて木道を歩きました。
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